告げられた事業譲渡金額は車の中で…。
ある日、現代表から電話がかかってきて、

お前今日時間ある?



午前中は妻の作家活動の手伝いですが、午後からなら。



そうか、じゃあ、店に来てくれ。
という感じで、要件も分からず向かうと、あるお店の店主を紹介してくださるとの事で、お店に到着後、すぐに私の運転で出発しました。
その帰り道、そろそろ事業譲渡金額を提示してもらわないと困るなと思い、意を決して現代表に伝えました。



代表、そろそろ事業譲渡の代金を決めてもらえませんか?
じゃないと融資審査もできないし、仮に融資できませんてなり、それが9月末だとワイどうしようもないんですけど…。



う~~~~ん…。
300万円かな。
ワシが始める時、それくらいかかったから。
だから300万円もらえたらそれでいいよ。



そうなんですね。分かりました。
では、在庫の金額はどうしましょう?



在庫は数えてみないと分からないなあ。



おっしゃるとおりなんですけど、あくまで融資できるか否かの審査なので、具体的な金額がないと審査できないんですよね。
例年だと、10月っていつもどれくらい在庫あります?



そうだなあ。
だいたい3ヶ月分かなあ。



分かりました。
ということは、過去最高収益だった、去年の売上をベースに考えたとして、その3か月分〇〇万円位が在庫の金額と考えておけば、心配なさそうですね?



そうだな。
今年の売上は去年ほどではないけど…。



とはいえまずは、実際に借りられるか否か分からない段階の話なので、3か月分の売上の数字で、審査をお願いしておきます。
で、ダメだったらまた相談させてもらっていいですか?
ちなみに、在庫の買い取り金額は定価ですよね?原価ではなく。(一応確認)



そうだな。
(原価じゃなく、定価で。)
承継後の現代表の給料は…



あと、承継後の現代表のお給料についてなんですけど、それはどのようにお考えですか?



時給2,000円かな。
まだ教えてない商品の作り方を教えに来るくらいだから、
そこまでいないだろうし、それで大丈夫じゃないかな。



分かりました。時給2,000円ですね。
というやり取りが行われました。
また後日、承継後にどれくらいの頻度で、現代表がいらっしゃるかを確認しました。
現代表が承継後にお店に来るタイミングは…



それはもうお前の店なんだから、ワシが決めることではないぞ。



そうなんですね。分かりました。
考え方としては、事前に私が代表に連絡して、「今日お願いします。」と言ってきていただく形で良いわけですね。



そうだな。



で、その時の時給は2,000円だと。



そうだ。
後日、こんなやり取りもありました。



ワシの奥さんが10月から本当に一人で大丈夫(継げるのか)か心配していたぞ。
でも、ワシが来たら時給2,000円払わないといけないんだから、そんなに来なくても良いように必死で覚えるよな。



そうですね。最初のうちは仕込みに自身が無いので、見てもらいたいとは思っていますが、早いうちに仕込みを自分のものにしたいと思っています。
というわけで、ようやく、事業譲渡代金と在庫の金額が固まりました。
次は、日本政策金融公庫さまへ融資相談です。
ちなみに…。承継後の時給について。
事業譲渡契約書に記載が必要なのかどうか、事業承継・引継ぎ支援センターさまに確認すると、「それは承継後の話なので、記載の必要ありません。」という事でした。
また、その金額について間に入って協議してくださることも無いようです。つまり、対応範囲外とのこと。
※承継後の話だからですね。