【元ディーラー勤務直伝】愛車を1円でも高く買い取ってもらう買取交渉ノウハウ(note有料記事を無料公開)

目次

はじめに:なぜカーオーディオ専門店が買取ノウハウを公開するのか

はじめまして。
湯けむりガレージを運営しております眞鍋雄次と申します。

現在はカーサウンドカスタマイズの専門店として、お客様のカーライフをより豊かにするためのお手伝いをしています。

実はこの記事、今から6年前に私がnoteで有料販売し、多くの方にご購入いただいた「自動車買取交渉ノウハウ」なのです。

この度、本記事を全文公開するものとしました。

「なぜオーディオ屋さんが買取の話を?」と不思議に思われるかもしれません。

それは、お客様が大切に乗られてきた愛車を、
次のステップのために少しでも有利な形で手放してほしい、
そしてカーライフ全体を後悔なく楽しんでほしいという強い想いがあるからです。

この記事を読んで実践すれば、あなたの愛車の査定額がアップする可能性があります。 これからはじまる内容だけでも、自動車業界のリアルな裏側がわかるヒントが十分にあります。正直に言って、ここまで具体的な買取ノウハウを公開している記事は他にないと自負しています。

それでは、本題に入ります。ぜひ最後までじっくりと読み進めていってください。

※ この記事の内容は、元ディーラースタッフとしての経験に基づくものです。実際の商談においては、時期や状況により結果が異なる場合があります。

noteからお越しいただいた皆様へ

この度は、湯けむりガレージの公式サイトにお越しいただき、ありがとうございます。

noteでお読みいただいた第1項〜第4項の内容は、このページにも掲載していますが、すでにご覧になっている場合は下記のリンクから続きの内容(第5項以降)へ直接お進みいただけます。

📖 第5項から続きを読む

※ 初めてこのページをご覧になる方は、このまま下にスクロールして第1項からお読みください。

自己紹介

まずは簡単に自己紹介をさせてください。

私は、あるメーカー直営の自動車ディーラーに13年間勤めていました。

その間に、自動車整備士を8年間経験した後、職種変更で自動車登録業務、自動車保険業務、経理業務を3年ほど兼任し、最終的に営業職を2年経験して独立しています。

業界の中でもこのような経歴のスタッフは珍しく、ほとんどの場合、自動車整備士で入社すると、数年後には営業スタッフに職種変更という流れが主です。

しかし私は、幸運にもそれ以外の職種を経験させていただくことができたおかげで、自動車の原価も知っていますし、店舗内の業務的な内容であればほぼすべてを知り得ています。

なぜこんな話をするかというと、実は自動車業界では、ほとんどの人が自分の担当以外の仕事内容を知らないからです。自動車会社に勤めているからといって、お客さま以上に詳しいことは実はそんなに多くありません。詳しくなるのは具体的な事務作業の中身くらいです。

つまり、

  • 車の原価は実は限られた人しか知らない
  • 眞鍋はその限られた人の一人だった(あくまで過去形です)

この2点を、まずはご理解いただければと思います。

そんな私が、今回は今のあなたの車を1円でも高く買い取ってもらう方法をお伝えします。

この記事は、例えば本当は180万円の価値のある車を、どうやったらきちんと180万円で買い取ってもらえるのかを解説しています。

「え? 大したことないって?」

そう思われた方に、ぜひこの話を聞いていただきたいです。

自動車業界は、本当は180万円の価値のある車の査定額を140万円と伝えて、下げ見積もる業界です。

言い方を変えます。それが買取における「交渉」になります。新車でいう値引き交渉の、買取バージョンが存在しているということです。

ですので、買取スタッフから「あなたのお車の査定額は140万円です」と言われても、それは”この価格でOKしてくれたら儲けもの”的な価格だと思ってください。

よくある広告で「10万円の価値の車が50万円になった!」というのは、もともと50万円の価値の車だったにすぎません。

この記事をご覧いただいている方は、過去一度はご自身の車の査定をしてもらったことがあり、その査定金額に納得はいかなかったものの、返す言葉もなく、泣く泣くその金額で手放した経験があるのではないでしょうか。

初めてあなたの車の査定金額を告げられた時は、ショックだったでしょう。また、査定額を聞いて怒ってしまう方もごく少数ですが存在します。

気持ちはすごく分かります。私も初めて査定を依頼した時の車は、120万円で購入したにもかかわらず、1年乗って告げられた査定額は30万円でした。これはかなりのショックだったことを今でも覚えています。その後、自動車業界に就職し、あの時の金額は買い叩かれていたんだとわかった時、なんともいえない感情が溢れ出てきました。

しかし、この記事はそんな思いをする人を少しでも減らせたら、という気持ちで書きました。そのため、かなり具体的なことを書いています。自動車業界の在り方が変わらない限り、この知識は今後も使えるでしょう。

13年間自動車ディーラーに勤めてきて、間近で何百という車の査定額を見てきた私が、スマートに正しい価値で査定額を引き出すための基礎知識をお伝えします。ぜひ、このノウハウを自分のものにして、納得のいく買取交渉をしてください。

1. 思っているより査定額が低いわけ

先ほどもお伝えしましたが、査定額を聞いて怒ってしまう方はごく少数ですが存在します。

きっと、当時非常に高価なオプションをたくさんつけた(オプションで高額になった)自動車を所有されていたんでしょう。その気持ち、よく分かります。

ただ、いきなり厳しいことをお伝えすることになりますが、オプションの金額は査定額に反映されません。例外としてナビは査定額に反映されますが、それでもナビくらいです。ちなみにナビといっても、何十万円もしたナビであっても、5万円のナビであっても、査定額にプラスされる価格は変わりません。

ナビも基本純正品であることが前提ですが、HDDかSSDか、そして自動車の年式(なぜ? と思いますよね)で変わりますが、1万円〜3万円程度です。

もし、それ以上に価値のあるナビだとご存知なら、取り外してオークションで売ってしまいましょう。その方が間違いなく良いです。ただ、まだナビは外さないでつけたまま商談してください。

もちろん他にもフルエアロや本革シートの車も査定額に影響はありますが、今時フルエアロの車(純正オプションでの話)はほぼないですよね。本革シートも少なくなりました。

今のトレンドは本革×ファブリックのコンビシートです。ちなみにアルカンタラのスウェードシートは本革ではないため、査定額に反映されません。ただ、セールストークではその点に触れられるかもしれません。

なぜオプションの金額は査定額に反映されないのか?

それは査定業界において、オプションの金額については加点対象となっていないからです。そもそも業界にそういうルール(基準)が存在していないのです。

先ほど加点対象になるものは、ほとんどがメーカーオプションです。

いきなりですが、残念なパターンをお伝えします。「この車はオプションだけでも100万円かかっているのに、なんでこんなに査定額が安いんだ。買った時は数百万円だったんだ。そんな査定額なはずない」と怒って、納得いかないことを理由に手放すのをズルズルと長引かせるパターンです。

新車と違って、手放そうとしている車は中古車ですから、時間が経てば経つほどその価値は下がります。それが現実です。

査定額は、欲しい人(需要)が多いのにタマ数が少ない場合にのみ、高値で安定します。

つまり当時、非常に人気だった車の場合は、最初の数年間は需要に供給が追いつかないため価値がありますが、中古車の数が足りてくると、急に査定額が下がります。もしこのような車に多くのオプションをつけてしまっていると、思ったより査定額が出ないという現象が起こります。

理由をお伝えします。何もオプションを付けていない車両の税抜き価格が、査定価格の基準価格になるからです。こんなこと、誰も教えてくれないですよね?


話を戻します。査定額を聞いてショックなあまり手放すのをためらっているのは、よくないパターンだとお伝えしました。

新車の値引き交渉でいう、相場を知らずに無茶な値引きを要求してくるお客様と同じで、こういうお客様は買取スタッフもまともに相手をしません。

また、この状況は納得のいく査定額を引き出したいと思っている方にとっては結構痛手で、査定額を聞いて「なんでそんなに安いのか」と怒って(驚いて)しまうと、買取スタッフに**「あ、この人は何も知らない人なんだな」とバレてしまいます**。そうなると、その後どれだけ粘ったところで買い叩かれて終わります。

ですので、査定額を聞いた時は、絶対に感情を表に出さないように注意しましょう

2. 査定額に影響するのは、「年式、車種、グレード、走行距離、色」です

一度、買取査定を申し込まれた方ならご存知だと思いますが、最初に聞かれてくる部分です。実はこれで査定額の8割が決まります。ということで、その要素の中に「オプション」は含まれていません。また、原則としてこの金額から大幅に上振れする査定額もつきません。

具体的に言えば、オプションでLEDフォグライトをつけていたとしても、元々普通のフォグライトがついていたのなら査定額に差はありません。

LEDフォグライトはまだまだ高いのに…それなら元に戻してオークションで売った方が良いです。

以上のことから、10万円の価値の車が、最終12万5千円の価値になることはあれども、50万円の価値になることは絶対にあり得ないのです。

「オークションなどで個人売買でやり取りするなら可能じゃないか?」

場合によっては可能かもしれませんが、正直おすすめしません。そもそも名義変更できる知識をお持ちでしょうか?

オークション先の相手が個人だと思っていたら、なかなかイカツい業者だったり、買い叩かれて終わったり、取引後執拗にクレームの連絡が来るなどの可能性もありますからやめておいた方がいいでしょう。素人がオークションで個人売買を行うのはリスクが高すぎます。逆の立場で痛い目にあった人はなおさら、やめておきましょう。もっと気持ちの良い次につながる取引をしていきましょう。


話を戻します。査定額は「年式、車種、グレード、走行距離、色」で8割決まるということをお伝えしていました。この点についてもう少し詳しくお伝えしていきます。

実は、査定は加点方式ではなく、減点方式をとっています

つまり、上記要素で10万円の車は、12万5千円ではなく、7万5千円になる確率の方が高いです。でも、最初に目安として10万円って言われていて、「こことここに傷があるので7万5千円です」って言われても、納得いかないですよね。

ですので、買取専門店も最初から、「あなたのお車の価値は7万5千円です」からスタートさせます。ここからさらに減額して「あなたのお車の価値は5万円です」という営業スタッフも普通にいます。ここであなたが相場を知らないと「分かりました」と言ってしまって、知らないうちに5万円も損しています。

10万円の価値の車でさえ5万円も損する可能性があるということです。これが100万円だったら、50万円も損する可能性があるってことです。

最近は、インターネットも普及しているので、さすがにここまでひどい商売をする業者は少ない(でもいます)ですが、本当は100万円の価値の自動車の場合、25万円くらいは下げ見積もられる可能性のある金額とみていいです。

また、この不当に下げ見積もりをされていたとしても、法的に取り締まられることはありません。買取契約書に署名した時点で同意しているわけですし、署名前にお客様から「おかしいでしょ」と言ったところで、査定額は上がりません。査定額を上げるのには別のスキルが必要なのです。

次の項では、やってはいけない交渉方法をお伝えします。

3. 他の会社の査定額を引き合いに出しても無駄に終わる

新車の値引きと理屈は一緒です。具体的に言いますね。

まず、やりがちなのは、「この車はビッグモーターでは120万円だった。ガリバーではいくらの値段つけてくれるんだ?」というもの。

新車の時にもお伝えしましたが、これは、一番よくない買取交渉です。この交渉方法で納得のいく査定額を引き出すのは絶対に無理です。

極端なことを言えば、買取スタッフとしては「それならビッグモーターで売ってください」ってなるのです。

なぜ他の会社の査定額を引き合いに出してはいけないのか

お客様がこのお店で売ってくれるのかどうか、確信が持てないからです。

ガリバーで出された金額を聞いてもう一度ビッグモーターに出向いて、「ガリバーではいくらにしてくれた。ビッグモーターはいくらにしてくれる?」みたいに。

これ、いつ終わるんでしょうか? 終わりが見えませんよね。ですので、このような買取交渉において、本気の査定額を提示してくることは絶対にありません。

お店側としても、ただただ、査定額をつり上げるためのたたき台にはされたくないのです。また、具体的な金額の決まっていない相手は結構買い叩かれます。自分の車の価値を分かっていない情報弱者であることを見抜かれてしまっているからです。

それと、このような買取交渉をされる方に共通する部分があります。それは、いくらで手放すのが良いのか分かっていない状態で買取交渉を行っていることです。

皆さんはどこがゴールか分からないマラソンなんて行いますか?

自分探しの旅(笑)ならともかく、どこに行くか決めていない旅行を家族全員で行きますか?

この、出口の見えない交渉はやっても意味がないことを営業スタッフはすぐ見抜きます。つまり、

他社と比べる = 手放す覚悟がない

と受け取ります。

ですので、他社と比べて金額交渉を行うのは、無駄ですし、今後まともに相手してくれないので、絶対にやめましょう。

一括査定サイトについて

一括査定サイトについてもお伝えすると、最も価値が高い状態で買い取ってくれそうな言い回しで巧みにあなたの車を買い取ろうとしてきます。

ですが、ここでいう「最も価値が高い状態」というのは、あくまで他社と比べて最も価値が高い状態であって、本来の価値に最も近い状態の値段ではありません。

具体的にお伝えすると、仮に本来の価値が100万円だったとして、一括査定サイトに登録すると、ほとんどの会社が65万円の価値を付けてきた。ただ、ある一社が75万円の価値をつけてきたので、そちらに買い取ってもらった。

ここで、皆さんはこう思います。「最も高く売れて良かった」

残念ですが損しています。本来の価値は100万円つく自動車を75万円で手放してしまったので、25万円損しています。もったいない…

お気づきですか? 最も高く売れたのは、他の業者と比べてであって、本来の価値に対してではありません。また、そんなこと誰も教えてはくれません。

ということで、一括査定サイトを利用して査定額を引き上げたように思ったのなら勘違いです。

そんなに簡単に、かつ「タダ」で、さらに人に任せて(一括査定サイト)、最高の査定額? そんなのあるわけないじゃないですか。

かなり具体的なことをお伝えしますよ。一括査定サイトはどうやって運営資金を稼いでいるんでしょうか? どこからお金が発生しているんですか?

当然、その査定サイトに掲載されている買取センターです。

もう一度言います。

一括査定サイトが運営できているのは、買取センター様のおかげなのです。そしてそのスポンサー様がしっかり稼げる(つまりあなたのお車の価値を低く見積って買い取る)ようにしないことには続きません。

つまり、あなたが一括査定サイトを使ったとしても本来の価値での査定額をたたき出すことは難しいのです。

しかし、一括査定サイトを利用することで、ある程度の相場を知ることはできます。そういう意味で利用するのはいいと思います。

4. 金額さえ合えば、今日ここに車を置いて帰る、と告げる

買取スタッフの本音として、本気の査定額を提示しておきながら返事は保留というのが一番困ります。今までの時間は何だったんだと。

そうならないために、買取スタッフはまず、お客様に売る気があるのかどうかを探ってきます。そもそも、売るかどうか分からないお客様に買取スタッフは本気の査定額を絶対に提示しません。なので、他社と比べるお客様は相手にする気がないのです。

「え? そうすると、他のお店にいかないからって安心して、足元みて査定額減らしてくるんじゃないの?」

心配ありません。

ご自身のお車の相場を知っていれば、他のお店に行く必要なく査定額の交渉は可能です。

最初、皆さんは何のために他の店舗の査定額を引き合いに出したりしていたのでしょうか?

買取スタッフに本気になってもらい、納得できる査定額を提示してもらうためですよね? ですからそのために、「値段さえ合えばこのまま車を置いていく」と伝えて、買取スタッフの本気スイッチを入れてあげてください

買取スタッフの本気スイッチが入ってから初めて本当の商談がスタートです。

多くの方が、買取スタッフは本気になっていないのに、上記のような駆け引きに時間を使っています。駆け引きは、まず買取スタッフを本気にさせてから行いましょう。

5、買取の商談回数は何回が良いのか?

買取の商談回数は原則1回です。買取商談において2回3回の商談は、あなたにとって不利になる条件にしかなり得ません。

理由をお伝えします。

買取商談において対象の自動車は中古車であり、中古車は時間が経てば経つほど、買取額が下がることはあるが上がることはないからです。

え?何年も経ってるのに高値で売れる車があるじゃないかって?確かにその通りですよね。

では、その件について説明します。それは、特別なプレミアがついている限られた自動車だからです

今ですとR32や180SX、S13シルビア等、かつて一世を風靡したスポーツカーにプレミアがつけられて売買されています。この記事の趣旨とは異なるので、理由はここでは触れませんが、その場合は高値で売れていることは事実です。

が、ここでお伝えしている自動車は、皆さんが普段日常的に使われている自動車の買い取り価格について、1円でも高く買い取ってもらう方法であり、今後プレミアの付く自動車の見極め方をご案内しているわけではありません。

また、プレミアがついていないが、買い取り価格の高い自動車は多くの場合、時間が経っても価値が落ちていないだけです。つまり、買取額が上がっているわけではなく、維持しているのにすぎません。

また、その場合の買い取り価格が下がりにくい自動車の見極め方をご案内しているわけでもありません。

あくまで、皆さんが普段日常的に使われている自動車の買い取り価格について、1円でも高く買い取ってもらう方法をご案内しています。

ですので、買取商談は一発勝負です。本気の査定額を出してきた値段で決められなければそれ以上の価格で買い取ってもらう事はできません。しっかりと見極められるようにしてください。

とは言っても、その見極め方をこれからしっかりとお伝えしていきますので安心してください。

まずは、いろんな自動車業界の常識を知っていくところから始めましょう。この内容の中に、買取スタッフの言葉のウソ、ホントを見抜くカギも隠されています。

6、買取価格保証のウソ。


まずは、大前提として買取額は需要と供給のバランス次第で5〜10万円単位で容易に変動します。

要は、先月まで180万円の査定額がついていた車が、月が変わった途端150万円の査定額になる。ということがあり得る。というわけです。本当です。それが理由で、商談が白紙に戻ったことが何度もあります。

ということは、月をまたいで買取金額を保証してくれる、というのは、そのお店が安全なマージンを取っている査定額を出してきている証拠であり、最高の査定額ではありません。

分かりやすく言うと、『今なら180万円の価値があるが、手放す予定は来月と言っている。それなら、最初から来月までなら140万円の買取金額を保証します。と言っておけばいいだろう。』と言うことです。

ですので、買取査定において営業スタッフから聞かれる内容には、必ず「いつ手放す予定か?」があります。

絶対に。

です。いつ手放すかを確認せずに買取商談を始める営業スタッフはいません。

冒頭でもお伝えしましたが、自動車業界では180万円の価値のある車を、140万円の価値しかないよ。といってごまかして買取する事で成り立っている業界です。新車に例えるなら、30万円値引きできる車を10万円しか値引きできないんです、といって販売するのと同じです。

ですので、お客様からすれば、その車が本当は180万円の価値があったとしても、140万円の価値しかないんだ。と勘違いしてしまうわけです。そして、140万円で手放す。

また、無料部分でお伝えしましたが、最近は本当の価値を知るために一括査定サイトで全社一括見積もり。というのが流行っていますね。

お伝えした通り、一括査定サイトを利用するということは、まだどこで車を売るかを決めてないわけですから、査定額も探りの査定額でしかありません。

そして、一括査定サイトをオススメしない理由は、利用する方=買取の素人である事。情報弱者であることを買取業者に知らしめているからです。

なぜなら、ご自身のお車の価値がいくらかわかっている人が一括査定サイトを利用するわけがないのです。

結局一括査定サイトを利用したところで、無料部分でお伝えした様に買取ノウハウを知らなければ査定額は下げ見積もられて終わります。そもそもその金額がおかしいという根拠がなければ、買取スタッフと互角に商談できません。

また、一括でいろんな会社にあなたの個人情報をさらすことになるわけですから、不要なメールも一気にたくさん来るようになりますし、電話もかかってきます。一括査定サイトで見積もりをする。と言うことは車を手放す。と言う前提で業者も話をしてきます。

あなたは、単純に一番高く売れる金額とお店を知りたいだけですよね。そうなんです。

一括査定サイトを利用して面倒な事になるくらいなら、最初からあなたの自動車の価値がいくらか分かった上で買取センターに持ち込んで商談した方がいいのは明らかなんです。

まとめます。

いついつまでならこの買取価格を保証します。という金額は安全マージンを取っている価格であり、最高の査定額にはほど遠い。
一括査定サイトを利用してしまうと、自ら情報弱者であることをさらす事になる。
一括査定サイト経由での最高の買取額は期待できない。

7、ディーラーでの下取り額より買取専門店の方が査定額は高いのか?

自分がディーラーで勤めていた時の経験でのお答えではありますが、買取専門店の方が高いです。ですが、そうだと思い込んで何も考えずに買取専門店で買取交渉してしまうと知らずのうちに買い叩かれますので、注意してください。

大切なのは、相場を知ることです。もう一度言いますが、あなたの車の価値が市場全体ではいくらの価値があるのかを知ることが重要です。この基準があなたに無ければ、買取スタッフはそれを良いことに、もっともらしいことをあなたに伝え、あなたは納得してしまい車を手放します。これでは買取スタッフの思うツボです。

また、ディーラーでは、下取り車がある方が新車もより値引きしますよ。ディーラーで下取り車も買い取らせてもらう方が得ですよ。と言ってきます。ウソです。それはありえません。私は13年間自動車ディーラーに努めてきましたが、たとえ自社メーカーの車でも、買取専門店の査定額を超えたことは一度もありません。

ディーラーに出すメリットとしては、新車納車時に下取り車と新車を入れ替えできる。手間が少ない。また、場合によっては先に下取り車を入庫して、その間代車を用意してもらえる。(長期にまたがる場合は自動車の維持費が抑えられる)のがメリットです。

下取り車を買取専門店に持っていって、移動手段が公共交通機関のみになった状態で新車納車に向かうのか、そのまま荷物の出し入れもやってしまえるディーラーが楽か。買取金額の差が1万円くらいならディーラーで買取も良いかも知れません。

また、ディーラーには下取り車を出さないけど、一回査定してもらい、相場を知っておくのはオススメです。また、ディーラーの場合、買取査定と、下取り査定の金額設定は別で、同じ車の状態なのに買取のみの査定ではかなり低い査定額が提示される場合があります。これは注意してください。

(オマケ)残価クレジットで購入した自動車が満期を迎え、乗換え希望の場合のテクニック。


通常、残価設定のお車が満期の場合は、購入したディーラーに引き渡してますよね?基本残価分の買い取り価格が保証されているので。

ただ、残価設定だからって、購入したディーラーに返す(買い取ってもらう)必要はないんです。ご存じでした?

という事は、普通に買取センターに持っていって、残価以上の買取価格になった場合、そこで手放して良いのです。一応オマケとして情報追記いたしました。

8、どの会社で査定してもらうのが良いのか?


大きな展示場を持っている買取センターがいいです。そのお店の方が、展示場を持っていないお店に比べ査定額が10〜20万円は高く買い取ってもらえる場合があるからです。

理由をお伝えします。買い取った車をオークションを通さずそのまま展示して販売できるからです。

一般的な買取センターでは、買い取った車をオークションに出します。そして、そのオークションで落札された価格と、元の買い取った金額の差で利益を出しています。

ざっくりとお伝えすると、100万円で買取り、120万円で落札されれば買い取った業者は20万円の利益がでます。

そして落札した業者はその金額からあらかじめ利益を20万円ほど上乗せした140万円を店頭価格として表示して販売します。

つまり、展示場を持っていない買取センターは、展示場を持っている買取センターに比べて40万円近く低い査定額を提示してきます。40万円です。信じられないですよね。

また、中古車の原価の多くは、店頭価格から20万円〜60万円引いた額です。

傾向として流通の少ない車ほど、利益を多く乗せてきます。
流通の少ない車、あまり売れない車です。スポーツカーとかオープンカーがそれです。高級セダンも割と含まれます。そういう車は店頭価格から60万円ほど引いた額が原価(買い取った額)である可能性が高いです。(絶対ではありません。)

話が逸れましたが、大きな展示場があるお店の場合、買い取った車をそのまま展示できる優位性があるため、オークションに出すよりも高値で査定額を提示できる場合があります。

具体的なお店を上げるとするのなら、ビッグモーターがそれです。ビッグモーターは契約後の対応は最悪ですが、査定額は高いです。

とはいえ、注意すべきなのは展示場に展示しても売れると思うくらい状態が良く、今人気の車での話です。展示場におけない車は、どこで査定してもらっても大きく値段が変わる事はないです。

では、そういう展示場におけそうな車か、そうではない車なのかを『あなた』が判断できる方法をお伝えします。

簡単です。その展示場に展示されてある車種であるかどうかです。

展示されている車と同じ車種を乗っているなら、絶対に大きな展示場のある買取センターを利用してください。特に最前列に展示されている車種だとより良いです。

では、展示場に展示されていない車を乗っている方はどうすれば良いでしょうか?

地域で一番大きな買取センターを利用してください。それか、小さくても展示している車が頻繁に変わっているお店がいいです。

地域で一番大きな買取センターは、地域で一番車の入れ替わりが早いお店です。
入れ替わりが早いという事はたくさん取引が成立しているので、ある程度の自動車でも高値で買い取ってもらいやすいです。
結局、大きな展示場があるお店が地域で一番大きな買取センターだったりしますが…。

まとめます。

査定に持っていくお店は、大きな展示場を持っているお店か、地域で一番大きな買取センターへ。そこの展示場に置いてある車種をあなたが乗っているのなら、査定額は正しい金額の提示が期待できる。

9、値段がつかないと言われた場合の方法

残念ですが、そういう場合もあります。値段がつかないと言われた場合は、一度冷静になってください。そして、他のお店なら値段がつくかも。という幻想は捨ててください。

断言しますが、値段がつかない車の場合に限って、買取スタッフはウソをつきません。

例えば、5万円の価値だった場合に値段がつかない。とウソをつく場合はありません。なぜならこの値段でウソをつく価値がないからです。

ですので、値段がつかない。と言われた場合にのみ、そのスタッフの金額を信用してください。

一般的に値段がついた場合の査定額の根拠を示す方法として、本社から出してきた査定額をPCでこれ見よがしに見せてくる場合があります。これは信用なりません。本社からの数字を買取スタッフと結託し、意図的に下げている場合があります。私もディーラーでの営業時代にこういう方法をとったことがあるので分かります。

ちなみに10万円だった車が50万円で売れたなんて広告があったりもしますよね。

あれはウソです。

え?海外に売るんだって?そうですか。確かにそういう場合もあります、しかし、それは海外でも人気のあるごく限られた車種での話です。そういう車は買うときも高いです。

一般的な自動車を海外に輸出して価値が上がるといっても、日本では価値がない車が5万円で売れる。くらいのものです。それ位だとあなた自身で廃車の手続きをすればその値段に近い金額は戻ってきます。また、自分で廃車手続きをするのは違法ではありません。

でも、実際に廃車する場合、自動車ディーラーなどに依頼するとお金がかかりますよね?

ですが、実はあなた自身でも廃車手続きくらいなら簡単にできます。

また、手元に残る金額として、廃車にする自動車は『鉄』という資材として売れます。もちろん金属の相場は変動しますし、値段もその『鉄』の大きさによりますが、普通車はだいたい1〜2万円くらいです。
それと、車検残があれば自賠責と、重量税の金額が帰ってきます。
この金額は車検残月数と、あらかじめ支払っている重量税の金額によってかなり変わってきます。車検残月数が多ければ多いほど返金額も高いです。

あとは、普通車であれば自動車税も手放すタイミングによっては帰ってきます。自動車保険も1年間前払いしていれば月割りで返金されます。

このことから、ただ廃車にするだけでも、あなたが行えば数万円が手元に残るわけです。

ですので、値段がつかない。と言われた場合はあなたが廃車手続きをするのが良いでしょう。

参考までに廃車手続きの流れをお伝えします。必要ない方は読み飛ばしてください。

軽自動車の流れを元に説明しますが、普通車の場合は、認印が実印と印鑑証明になり、軽自動車検査協会が、陸運支局になるだけで、基本的な流れは変わりません。

廃車の手続き方法

まずは、解体業者に電話して、車を持っていくか取りに来てもらうか相談してください。どちらの場合も、引き取られた後は車がなくなりますから、その点だけ注意して、その後の移動手段を確保しておいてください。

引き取られる前に、車検証、自賠責、車のナンバー前と後2枚は手元に持っていてください。

引き取られた後、任意保険を入れ替える場合はこの時に入れ替えます。車だけなくなる場合は、任意保険を解約してください。その時に、中断証明を発行してもらうのを忘れないようにしてください。

中断証明とは、中断してから10年間、中断した時の等級を維持できる方法です。
中断証明は解約時でないと取れません。後から申請しても受け付けてもらえないという意味です。忘れないようにしてください。

その後、軽自動車は、県に一つはある軽自動車検査協会(普通車は陸運支局)にナンバーや車検証をもって廃車の手続きをします。所有者の認印だけで大丈夫です。(普通車は印鑑証明と実印)自賠責はこの時必要ありません。車検証上の所有者名が購入したお店の場合は所有権解除という手続きが必要です。そのお店に『所有権解除をしてほしい。』と告げてください。ローンの支払いが完済していれば、応じてくれます。そのあとに軽自動車検査協会なり、陸運支局に向かってください。

次に軽自動車検査協会の窓口(普通車は陸運支局)で廃車にしたい旨を伝えれば親切に教えてもらえます。

次は、廃車(詳しくは抹消手続き)手続きをした後、抹消照明という書類と、印鑑(軽、普通車とも認印で良い)を持って、自賠責の会社に行きます。損保ジャパン日本興亜だとか、東京海上とかです。どこの会社かは自賠責の書類の左上に書いています。店舗は調べてみると結構あります、最寄りのところでいいです。そこで解約手続きをすると、数日後、銀行口座に手数料を引いた残金が振り込まれます。

その後、だいたい数ヶ月かかりますが、自動車リサイクルシステムというWEBサイトで、廃車(使用済み車両と言います)の処理状況を確かめ、処理完了になっていれば、そのページをプリントアウトもしくはスクショして、もう一度軽自動車検査協会(普通車は陸運支局)に行き重量税の還付手続きの処理をしてもらえれば完了です。この時も所有者の認印(普通車は実印と認印)と抹消照明の書類があればオッケーです。窓口に行って、『重量税の還付の手続きがしたい。』と告げれば、親切に教えてくれます。

廃車手続きに関しては以上です。

10、買取価格が上振れする月はあるか?

あります。決算時期の前、12月初旬から1月中旬までです。

このタイミングだと、流通のある車種に関しては、だいたい5万円くらいは上振れします。車体色が白、黒なら、10万円は上振れします。

8月以降車を売る予定がある方は、あと数ヶ月我慢してこの時期に手放してください。

2月では正直遅いです。値段が下がり始めます。めちゃくちゃ人気の車種なら別ですが、無理に勝負する必要はありません。

ただ、その時期に売るのが良いからって、1年近く待つのは意味がないのでやめてください。中古車は月日が経てば経つほど値段が下がります。

買い取り価格が高騰する月よりも、今人気の車を今手放すほうが高値で買い取ってもらえます。

ちなみに12月初旬から1月中旬である理由は、新卒者が中古車も視野に入れて探し始めるのが、年末年始だからです。

ですので、それまでに買取業者としては仕入れを済ませておきたい。仕入れが間に合わないと、仕入れたものが不良在庫になる。だから早いほうがいいのです。

中古車に関しては1点ものですので、それぐらいタイミングは大切です。

まとめます。

8月以降車を売る予定がある方は、あと数ヶ月我慢して12月になってから車を手放してください。車検がその時期にある方は、できる限り車検をせずに切れたところで手放してください。車検残半年以内なら、査定額はほとんど変わりません。
12月初旬から1月中旬
は買い取り価格のボーナス期間です。いつもよりも5万円くらいは買い取り価格が上がる傾向があります。車体色が白や、黒ならなお良し。

11、具体的な買取交渉術をお伝えします。

まず、地域で一番大きな買取センターを調べます。できれば査定してもらうのはそのお店だけにしてください。

どうしてもというなら、本命以外のお店で一回試してください。
ちなみに査定だけでも、本気の商談テーブルに上がった場合は2時間くらいはかかります。

本命以外の場所で査定してもらったのなら、切り上げる言葉としては、『手放すかどうするかは明日返事します。』と言って帰ってください。そして、きちんとどうなったかも連絡してあげるとその後が楽です。(今後2台目、3台目の査定がありえるから。適当な対応をしてしまうと、次違う車を持っていった時の査定をまともにされません。最近はパソコンでデータが残っています。人は忘れてもデータは残っていますので。

話を戻します。

まずは、洗車、掃除をして、なるべく買取スタッフが査定がしやすい環境を作ってください。査定がしにくいと、『どこかに隠れた傷がありそう。適当に減点しとくか。』となります。できれば、椅子の下の食べカスなんかもしっかり取り除いてください。

査定するのはロボットではなく、人です。汚いなあ。めんどくさいなあと思ってしまうような状態の車は、査定も適当になりがちで、かなりのマイナス査定をしてきます。そして説明も、「かなり状態が良くないのであまり高値は期待できないと思います。」と言われたらあなたは「たしかになぁ。」と信じてしまうでしょう?そこでもう勝負に負けてしまっています。

あなたが車をぞんざいに扱っていると見て取れた場合は、査定額がそこまで高くなくても納得するだとろうと判断してしまうのです。
そうならないために、洗車や掃除が大切なのです。たとえその時だけでも綺麗に見せていれば査定額はそうでない時に比べて1〜2万円は上がるとみていいです。

もちろん基準もあります。

著しい車内の汚れは1万円のマイナス要因です。(でも、たった1万円なんですよ~!)
他にも査定の項目にあるものとして、
タバコのヤニはマイナス5万円。
タバコの臭いやペットの臭いは5万円マイナス。

重複しません。
タバコとペットの臭いがあるのは5万円マイナスのみ。
ヤニもだとマイナス10万円…。
ペットの毛の付着はマイナス7万円です。こちらは上にのってきます。
つまりペットの臭いと毛の付着があって、タバコのヤニもある場合はマイナス17万円です!!

ボディの状態に関しては、パネルごとに判断します。
つまり、ドアパネル一枚で減点できる金額は、いくらドアパネルに傷があってベコベコでも5万円以上は減点できません。ですので、どこか一箇所のパネルに集中して傷がある車はラッキーです。その部分しか減点できないので。とはいっても、買取スタッフがそういわずに、「これはひどいからかなり減点になる。」と言われるかもしれません。騙されない様に気を付けてください。

ちなみに臭いの消し方は『ファブリーズ』一択です。
自動車の室内清掃業者もファブリーズを使って消臭
します。もしかしたら数百円で5万円のマイナスが避けられるかもしれません。

車検残については、査定額に影響はありますが、あっても1〜2万円ほどですので、1年残す必要はありません。車検が1ヶ月残ってるくらいまで乗っていいです。その方がコスパが良いと思います。
車検が仮に10万円した場合、1年で5万円かかってる計算になりますから、車検残1年あって査定額が5万円上がるならそこで手放すのも良いですが、査定額はそんなに変わらないからです。

話を戻します。査定前に、洗車や掃除をしておく。という話でした。

査定してもらう準備ができたところで、次は本命のお店に、まず電話をし、(アポなし来店はダメです。)『買い取って欲しい自動車がある。金額さえ合えば、今日車を置いて帰るつもりだ。』と告げてください。そうすれば、お店もそれ相応のスタッフを用意してきます。

次に、認印を持って来店してください。普通車で本人所有(ローン会社所有でないという意味)なら、実印と認印を。これは、本当に今日車を置いて帰るぞ。というアピールのための道具です。もちろん、値段が合えば本当に車を置いて帰りましょう。もしくは契約するまでいきましょう。車の引き渡しだけ明日。みたいに。来店後はビビらないように堂々としておきましょう。ちなみに高圧的な態度を取る必要はありません。あくまでもオドオドしない程度で良いです。

次に担当買取スタッフから、希望買取価格を聞かれるかもしれません。聞かれなければ、『この車が〜円なら(具体的な数字は絶対に告げてください。)今日車をここに置いて帰ります。査定してもらえますか?』と告げてください。それだけで大丈夫です。

査定額を上げてもらおうと意気込み、その車に対するアツい思いを熱弁される方もいます。残念ですが、それは査定額には関係ありません。
ビッグモーターなんかは事前アンケートで車に対するアピールポイントを。と書いていますが、これは査定額を伝えた後で、あーだこーだ言われて無駄な時間を過ごしたくないためです。査定額にはあまり関係ないです。
ただ、メンテナンスをしっかりしているか否かくらいは書いておいて損はないと思います。
ただ、いくらオイル交換をマメにしていたとか、きちんとメンテナンスをしていたとかであっても、査定に関係があるのは、1年点検を受けているかどうかです。点検記録簿があれば5千円くらい上がります…。
残念ですが、きちんとメンテをしていたところで変わる査定額は5千円程度です…。

買取スタッフから査定額を告げられた時に説明なければ、突っ込んでみてもいいでしょう。『点検の話がなかったんですけど、私の車きちんと点検を受けているから、査定額は〜円になりますよね?』って言ってもらって大丈夫です。

つまりオイル交換を一回もしてなくても車に異常がなければ査定額は変わらないのです。

査定時にオイルゲージできちんとオイル管理されているのかチェックされると思いますが、査定の減点項目にはありません。そこを突っ込んでくるなら、『再販売するときはどちらにしろオイルゲージを交換するでしょう?そのオイルゲージ代だけマイナスにすれば済むじゃないですか。』くらい言ってもいいでしょう。オイルゲージは3000円もしません。参考までに。

ちなみに細かい傷は減点されません、具体的にいうと1cm未満の傷、凹みは減点されません。

『傷』の定義ですが、爪が引っかかる傷のことを『傷』と呼びます。つまり爪が引っかからない磨き傷等は減点になりません。買取スタッフから査定額の根拠を説明されることがあった場合に磨き傷のことを説明されたら、反論しましょう。ただ、まずは、その磨き傷でいくら減点されているか聞いてみてください。その後で、こう答えます。

『爪のかからない傷は査定に関係ないでしょ?その分の減額っておかしいんじゃないですか?その分の減点額はきちんと戻してください』と。さらに、『磨き傷はポリッシャーかければ消えるでしょ?』と突っ込んでもいいです。

お客様が査定に関してきちんとした知識をお持ちだと分かれば、買取スタッフも変な金額は提示してこないでしょう。

最終査定額が出て、予想していた金額位だな。と思えば、そこで契約して大丈夫です。ちなみに、最初に無茶な金額を提示して、『その金額にしてくれるなら車を置いていく。』と言った場合、門前払いです。全く相手にしてくれなくなりますから注意してください。あくまでも相場とかけ離れた金額ではないギリギリの値段提示が前提です。

では、最後に、そのギリギリの値段提示ができる方法をお伝えします。

12、あなたの自動車の価値を査定せずに知る方法。


まず、展示場においてもらえそうな車の場合の自動車の価値をお伝えします。

インターネットの中古車サイト(グーネットとか)で、あなたの車とほとんど同じ状態の車を探してください。

同じ状態というのは、同じ年式、同じグレード、同じくらいの走行距離(5000km単位でOKです。)同じ色、ナビ付きか否か。です。

色が違う場合は、白や黒は5万円〜10万円高く金額設定されていますので、そこを参考にしてください。

次にほとんど同じ状態のものが見つかったら、そこから20万円引いてください。
展示車になり得るものは、店頭本体価格から20万円引いた価格が限界の買取金額です。


例えば、店頭車両本体価格が120万円のもの(車検付きとかは車検代も含まれているので、他の車を探してください。もしくは、軽ならその値段から12〜3万円下げる。普通車は15万〜20万円下げる。ことで価格をみてください。)なら、100万円が限界の買取金額です。
この金額は本当にギリギリです。この金額の買取提示が出れば即決していいです。

先ほどの例だと、実際は90万円〜95万円の範囲でしょう。ですので、買取スタッフには、『100万円の査定額が出れば今日車を置いて帰る。印鑑も持ってきている。』と告げてください。もしスタッフからその金額の根拠は?とか聞かれたら、『他のお店で同じ状態の車が120万円くらいで売ってたから、そんなもんじゃないのかなと思った。』でいいです。

あくまで、中古車の原価ってそれくらいでしょ?って言わないでください。買取スタッフの反感を買わないように進めるのがいいでしょう。

中古車業界では中古車の利益は最低でも20万円はないとやっていけないと言われています。ちなみに新車の利益は5万円切る場合もあります…。登録台数などのノルマのため。
新車の話になりますが、それでも新車ディーラーがやっていける理由は、新車販売のお店は新車以外にも収益の柱となるものがあるため、そのような利益の少ない販売が可能ですが、中古車業者は中古車を売る事くらいでしか利益を取れません。中古車業者に修理工場がなければなおさらです。

次に展示車になり得ないだろう車種の場合においても、インターネットで同じ状態の車を探すところまでは同じです。
そして、インターネットで見た車両の本体価格が120万円のものなら、80万円が限界の買取金額です。
展示車になり得ない車種は、本体価格から40万円引いた金額が限界の買取金額です。

オークションで利益をだす前提の金額なので、どうしてもそれくらいの差が出ます。逆に言えば買取った車をそのまま展示場で売りに出せるレベルの車というのはそれくらいメリットのある事なのです。

ちなみに商談の流れとしては、展示車になり得ないものだと、買取スタッフはマイナス60万円位した金額の提示をしてきます。つまり、先ほどの場合だと、60万円の査定額です。と言ってきます。

ですので、買取スタッフには、『さっき他の店(具体的店舗名が好ましいです。)で査定してもらったら(ウソでいいです。)75万円の金額を出してくれたので、ここで80万円出してくれれば車をここに置いていく。』と告げてください。

具体的にいえば、ビッグモーターに来ているなら、『ガリバーで75万と言われた。ここで80万円ならここに車を置いていく。』という感じです。

そうすると、かなりギリギリの値段をついてきているのなら、買取スタッフが、はあ?本当か?という態度を取ってきます。そうすれば、成功したと思ってください。
『そうですか。』と笑顔で返してきたなら注意してください。何かもっともらしい理由をつけて一回は下げ見積もりしてきます。その場合、査定額を聞いた上で、納得いく金額でなければ『わかりました。じゃあ向こうで売ってきます。』と言って帰りましょう。
ここで、『ちょっと待ってください。』といって止められることは基本ありませんから、普通に帰りましょう。値段的にちょっと無茶な金額だったのかもしれません。

ただ、最後の望みとして、車に乗った後、駐車場で次に向かう店舗に電話をし、目の前の買取スタッフに内容を聞かれないように次の業者にアポを取ってください。『買い取って欲しい自動車がある。金額さえ合えば、今日車を置いて帰るつもりだ。』と。

これには、先ほど査定したスタッフ越しの目線では、前のお店で査定していたというのは本当だったんだと思わせるためです。これで、『ちょっと待ってください』がでれば成功ですが、確率は1割にも届きません…。ですが、どうせ次のお店にアポを取るので、取るのならそこの駐車場でとりましょう。できれば一つの行動に一つ以上の価値を見出す行動を心がけましょう。

やはり、展示車になり得ない車の場合、買取金額として確実なものがありません。オークションに出すのでいくらで落札してもらえるか分からないためです。

人の良い買取スタッフだと、だいたい先週のオークションで同じ程度のものが、いくらで落札されているから買取金額は〜円位が限界ですね。って説明があります。
方法として、最初の店舗でその金額を聞いておいて、次の店舗でその金額を仕掛けてもいいでしょう。

展示車になり得ないものはオークションでの落札金額が限界です。むしろそれ以外に出品手数料が必要なので、それより安く買い取られるのが普通です。

しかしこちらとしては、自信を持って『〜円(オークションでの落札金額)を出してくれたら、車を置いていく。』と伝えましょう。

また、買取スタッフからどこのお店でその査定額だったんですか?と聞かれたら必ず具体的な店舗名を答えてください。信ぴょう性を持たせる為です。同じ会社の違う店舗とかはダメです。

例えばビッグモーターにいったなら、どこのお店がその査定額出してきたんですか?と聞いてくると、ガリバーです。とか、実際に近くにある違う会社を答えてください。間違っても同じビッグモーターの〜店です。とかは言わないでください。一回でも査定したのなら、きちんと査定データが入ってるので、バレます。

もし値段が合わず帰った場合は、第2候補のお店に行きます。そして、ここでは、もう5万円下げた金額で交渉します。最初に80万円と言ってダメだった場合は、『さっきビッグモーターで70万円の査定額を出してくれたので、ここで75万円出してくれたら車をここに置いていく。』という感じです。他のお店の横のつながりはほとんどありません。身内がいればそうはいきませんが、身内同士で競合店舗に在籍している事は少ないでしょう。また、大型買取センターは地元民ではなく、他県から転勤のスタッフがほとんどです。

1回目の商談でオークションでの落札金額を教えてくれていて、かつ1回目がビッグモーターに行った場合は、オークションで落札されているその金額をそのまま伝えてください。
具体的には、オークションで落札されている金額が75万円だった場合、『ビッグモーターでは75万円だったけど、対応が気になったから売らずに、対応がいいと言われているこちらに車を持ってきた。どうせ手放すなら気持ちよく手放したい。だからビッグモーターと同じ75万円にしてもらえるのなら今日ここに車を置いて帰ります。』と伝えてみてください。

これは最初に行った先がビッグモーターの場合にのみ通用します。
もし、地域的にあそこのお店の対応は最悪だ。みたいな情報を知っているのならそちらの名前を出しても良いと思います。
ただ、全国的にビッグモーターの対応は業界最低レベルなので、他の業者もそう言われると納得します。『まあ確かに。』みたいな。

そうすれば、『ビッグが75万円だからここで80万円出すより、ビッグと同じ75万円で契約がとれるなら簡単だ。』になります。

そして、最終的に金額が決定した後で、『ナビって査定額にどれくらい関係してますか?』って聞いてみてください。『〜円です。』って言われたときに、ナビ単体でそれ以上の金額つきそうなら『じゃあ、その金額分査定額下げてもらって、ナビは外します。』と伝えてください。

最初からナビ無しで持っていくと、ナビがないので10万円くらい査定額下がっちゃうとか言われてしまうんですが、『ナビって査定額にどれくらい関係してますか?』と聞くと、10万円下がります。って答えてこない場合があります。そうすればしめたものです。
ですので、最初にナビはつけたまま商談してください。とお伝えしました。

それと、ナビはどんなナビでもついていればいいので、だいたい買取センターも廃車から取り外したナビを在庫しているので、ナビを外されたとしてもそんなに痛手になりません。だから大丈夫でしょ?っていうのはやめて下さいね!!あくまで反感を買わない様に!!

ここまで詰めていき、あとは契約を進めてくれれば大丈夫です。

査定には、車を持って行っても良いし、取りに来てもらっても良いです。ご自身のお車の相場をしっているので、どっちにせよ交渉できますし、金額が納得いかない根拠はきちんとあるので、断るのも簡単です。来てもらって申し訳ない気持ちは湧きません。

以上のことを駆使して、最高の査定額を最高にスマートに叩き出してください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事が、あなたの大切な愛車を納得のいく形で手放すための
お役に立てれば幸いです。

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眞鍋雄次
元ホンダディーラー勤務(13年)
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