働き方

年末調整とは?源泉徴収とは?所得税に関してもセットでわかりやすく解説。

マナベユウジプロダクツ代表 ゆうじです。

毎年11月には『年末調整』という言葉をよく聞くようになりますよね。

特に意味もわからず、会社の担当者に渡されて書いている通りに記入して押印して提出していませんか?

えっ。俺の事…?
会社員の時は、私もそうでしたよ。勉強する時間も余裕もありませんでしたから…。
ただ、手取りの給料が年収に比例して上がっていない感覚はもっていました。
そうなんだ。
昇給した額がそのまま手取り額にならない理由は税金のせいだよね。
はい。その税金について、会社員の方でもきちんと『節税』できる可能性があるんですよ。
節税ねえ…。
言葉はいいけどそれって、本来払わないといけない税金を払わないようにごまかしてるだけなんじゃないの?
確かに、今まで払っていたものを、払わなくても良いようにする方法となると、何か後ろめたい気持ちがあるのは分かります。節税のつもりが実は脱税だったら取り返しがつかないですもんね。

しかしその税金、例えば、10万円納めている税金は本来6万円分しか払わなくて良いものだとしたらどうですか?

それなら当然払わないわよ。そもそも普通に働いて税金を納めるだけなら無駄に多く税金を払うことはないはずでしょ?
実は、納税の仕組みはそうではないのです。もしかしたら訳も分からず余分に払ってしまっている可能性がありますよ。

せっかくですから、この年末調整を機に確認していきましょう。

税金計算の対象期間は

・その年の始まりから終わりの、1月〜12月の区切りで計算が行われている。〜年度のように4月〜翌3月ではなく、1月〜12月。

・計算した結果は、毎年2/16〜3/15までの間に確定申告を行う。
会社員の場合、確定申告の必要がない場合がほとんど。(初めて住宅ローン控除を受けられる時などは必要。)

・確定申告(ほとんどの会社員なら年末調整だけでよい)をすることにより、納税額が決まる。(前年の収入によって納税額が変動する。)

・2017年12月の給料を2018年1月にもらっていても(末締め翌月払い)、給料をもらった年が2018年であれば、それは2018年対象の収入。

・いつ働いたお金かどうかではなく、いつ入ったお金かで考える。

新卒社員でも本来翌年納めるべき税金を初任給から払っている。それは所得税。

アレでしょ?新入社員の手取りが先輩より多いのは、その税金が関係してるんでしょ?
そうなんです。税金って前年の収入がなければ納める必要もないので、その分手取りの給料は先輩よりも多い事がありますね。
ただ、それは住民税がかかっていない事が理由なんですが、新卒の会社員でも初任給から天引きされている税金があるんですよ。『所得税』がそうです。
え、それって変じゃない?さっきは税金って前年の収入がなければ納める必要がないって言ってたと思うけど…。
何で『所得税』は払わされているのかしら?
それがみなさんも一度は聞いた事がある『源泉徴収』という制度です。
これは前年の収入に関係なくその月の給料によって、これだけの金額の『所得税』を天引きしますよっていう制度なんです。
という事は、その天引きされた金額って100%正しいわけじゃないよね?それはどうするの?
はい。その為にあらかじめ徴収している『所得税』を正しい納税額に修正する為に『年末調整』があります。

年末調整では、払いすぎていればその過払い分が『還付』(戻ってくる)され、足りなければ新たに『徴収』されます。

源泉徴収とは

・所得税を給料から『源泉徴収税額表』にもとづき徴収する制度。

『源泉徴収税額表』
『給与所得の源泉徴収税額表(月額表)』←PDFで直接確認したい方
『給与所得の源泉徴収税額の求め方』←その見方
上記リンク全て 国税庁HP内

・所得税が給料から天引きされる事を『源泉徴収』と考えて良い。
・本来所得税は前年の所得が確定した後に、納税すべき金額を一括で支払うもの。
・給料から源泉徴収される所得税の金額はみなし金額。
・年末調整を行う事で、徴収済みの金額が過払いなら『還付』され、足りなければ新たに『徴収』される。
・新卒の初任給にも所得税はかかっている。

給料から天引きされる事をまとめて『源泉徴収』というわけではない。天引きには2種類ある。

所得税を毎月の給料からあらかじめ天引きする事を源泉徴収って言うのは分かったけど、天引きされてるものは他にもあるよね?
それは源泉徴収って言わないの?
はい。それは源泉徴収と区別して『特別徴収』と言います。
でも、おっしゃる通り給料から天引き(源泉から徴収)されているわけですから、それも源泉徴収といって良さそうですよね。

ただ、みなさんが会社から得た給料の事を『源泉』と言うわけではなくて、みなさんが会社からもらう前のお金を『源泉』と呼びます。
『源泉』とは、ものが生ずるもと(ここでは給料が生ずるもと)=会社と言うことですね。

そうなのね。じゃあ、給料天引きにもそれぞれ種類があって、『源泉徴収』というのと『特別徴収』というのに分かれるわけなのね。
ところで特別徴収って、何が特別なの?
本来給料から天引きされなくても良いものを『特別に徴収』されていると思ってください。
つまり、給料から天引きされているもののほとんどは、本来給料をもらった後で納めるものなのです。これを特別徴収と区別して『普通徴収』と呼びます。

しかし今では、事務作業の軽減や確実に徴収できる事などを理由に、会社が特別にみなさんのお金をお預かり(天引き)する事が法律で義務付けられています。

この特別徴収の中身はと言うと、住民税や、社会保険料(年金保険料、健康保険料、雇用保険料、介護保険料)が挙げられます。

特別徴収とは

・給料天引きになるもので、所得税以外のものを『特別徴収』という。
・会社が『特別』に従業員のお金を預かり(天引きして)税金などを納める制度。
・その内容は、住民税や、社会保険料(年金保険料、健康保険料、雇用保険料、介護保険料)
・新卒の会社員の手取りが先輩の手取りを超えるのは、『特別徴収』されるものが無い事が理由。住民税がそれ。
・住民税は前年の所得に応じて翌年から支払いが始まる。
・逆に言えば退職後一年間は、働いていないとしても住民税の支払いが続く。

<余談> 独立を考えているなら退職後にどんな支払いが待っているのか確認しておこう。

そういえばこの間退職して独立した人がいるんだけど、税金が高くてビックリしたとか言ってたなあ。それはどういうことなの?
よく聞くお話ですよね。かくいう私もびっくりしたうちの一人です。
その正体は『住民税』と、税金ではありませんが『健康保険料』です。

ずっと働き続けているのなら気付く事はありませんが、退職後一年は前年の収入を基準にした『住民税』と、『健康保険料』を支払わなければなりません。
また、健康保険についてはお勤めなら半額で済むのですが、独立された場合ですと支払額は満額になります。

具体的にいえば私の場合、年収540万円からの独立でしたから住民税は年間で約24万円、健康保険は37万円、トータル61万円ほどが必要でした。
ちなみに国民年金の金額は前年の収入に関係ないので、一律16,340円×12ヶ月=19万6千円ほどです。
というわけで、年金も合計すれば一年間は約80万円を現在の収入に関係なく支払う必要があったのです。

それは大変だね。初任給の時に住民税がかからなかった分、退職した後で苦労するわけだ。
特に独立しようとしたらそこも計算してやらなきゃダメだってことだね。
そうですね。私は独立した時にその知識が全くなかったので、金額を見てビックリしました。
独立を考えている人は、税金関係で一年間どれくらいの支出があるのかは知っておくべきですね。

ではまとめてみましょう。

独立(退職)後にかかってくるもの

・住民税
 前年の所得に応じて増減する。
・健康保険料
 正社員だった方の場合は任意継続がオススメ。国民健康保険だとかなり割高。
・国民年金(第一号被保険者)
 一年間(4月〜3月)金額は一律。来年4月からは16,410円。

第一号被保険者とは?こちらに説明があります。

ゆとりある老後のために。年金いくらもらえるか『今から』確認しておこう。マナベユウジプロダクツ代表 ゆうじです。 今回のテーマは年金になります。 突然ですが!みなさんに質問です。 恥ずか...
 



『収入』と『所得』の違いを確認しておこう。会社員でも収入から経費を差し引く事が認められている。よって節税も可能

ところでさっきから給料の事を単に『給料』とか、『収入』『所得』とか言ってたけど、要は税込年収とかの事?
はい。どれも同じ事を言っているように感じますが、明確に違いがあります。
まず、収入は給料で得られるものや、不動産で得られるものなど、その収入の内容によって区分があります。
その区分は全部で10種類です。
収入の種類

1、利子所得
2、配当所得
3、不動産所得
4、事業所得
5、給与所得
6、退職所得
7、山林所得
8、譲渡所得
9、一時所得
10、雑所得

所得の区分のあらまし ↓国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1300.htm

※〜収入と言わずに〜所得なのは、全て『所得税』を納税するために作った区分の為。

もちろん『〜所得』なので、そのほとんどに必要経費があり、差し引いた後の金額の事を指している。

会社員の方を例にお伝えすると、
給料によって増えていく収入を『給与収入』と言います。
この収入から経費等を差し引く事を『給与所得控除』と言い、その後の最終的な金額が『給与所得』になります。
ポイントは2つです。

1、会社員も必要経費として収入から経費を控除されている。
  『給与所得控除』がそれ。

  給与所得控除額 ↓国税庁HP
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1410.htm

  年収に比例してその金額は上がっていく。また、実際にその費用がかかったかどうかは関係なく控除される。

2、所得というのは、『収入』ー『経費』の事。
  税込年収の事ではない。

経費として落とせるっていうのは自営業の人たちの特権かと思っていたけどそうじゃないんだ。
そうですね。むしろ会社員の方があらかじめ経費として年収から差し引いてもらえているからお得な感じですよね。
ただ、今までも控除されているので今よりもさらに差し引いてもらえるわけではありませんが…。
とはいえ、その控除額は最低でも65万円と、非常に高いんですよ。
ちなみに、その経費として決められている額よりも本当に経費がかかった場合はどうなるの?
その場合でも、きちんと経費として認めてもらえる制度として『給与所得者の特定支出控除』というのがあります。
ですから自営業者ではなくとも、収入から必要経費を差し引いた金額を、実際の収入=『所得』としてきちんと考えられています。

給与所得者の特定支出控除 ↓国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1415.htm

じゃあ、きちんと収入から経費を差し引いてくれているなら、税金を払いすぎているわけじゃないでしょ。何が節税できるっていうの?
はい。実はこの『給与所得者の特定支出控除』は給与所得者本人が手続きを行わないと、いくら本当に経費がかかっていたとしても収入から差し引いてくれることはありません。

つまり、本人が申し出て初めて経費として収入から控除してくれるものなのです。それらを正しく申告し、正しい納税額を納める事が『節税』なんです。

なるほどね。税金を払わないようにするんじゃなくて、申告によって正しい税金を納めるという考え方が『節税』なんだね。

収入ー経費=所得。そこからさらに経費を差し引く事ができる『所得控除』これが年末調整。

所得の種類は10種類もあるんだね。
でも、私の収入は会社からの給料だけだから、その『給与所得』を基準に税金がかかってくるわけだ。
と、言いたいのですが、税金をかける基準の金額を計算するのにはもう一手間かけなければなりません。
それがみなさんおなじみの『年末調整』です。
わかったわ!生命保険料控除とかそういうやつでしょ?
そのとうりです。この年末調整というのは、所得税を正しい金額で納税する為に『所得控除』を行っています。

この所得控除にも種類があります。生命保険料や社会保険料などがそれです。

この『所得控除』ですが、給料という『給与所得』の『控除』ではありません。
なぜなら、給料という所得の控除はすでにお伝えした『給与所得控除』で完結しているからです。

年末調整で一緒に行っているために混同してしまいがちですが、いつも年末調整で記入しているあの用紙、本来は先ほどの10種類の所得を全て合算した後に行う手続きなんですよ。
ただ、多くの方の収入は給与所得のみなので、あのような形を取っています。

この所得控除により、最終的な所得税を納税する為の基準の金額が決まります。この金額を『課税所得金額』と言います。

年末調整とは

・所得控除を行い、正しい額の所得税を納税するためにある。

・所得税は、本来翌年に一年間分をまとめて納税するもの。
・会社員の方は毎月あらかじめ天引きされている。
・その金額を『課税所得金額』に応じた正しい所得税額に修正する制度。

・所得控除の中身は、生命保険料や、社会保険料などの出費の事。
 詳しくは、

『暮らしの税情報』パンフレット内 所得税のしくみ ↓国税庁
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_1.htm

・納めるべき所得税の額は、『課税所得金額』を基準に決定する。

・極端な話、たとえ税込年収が2000万円でも、『課税所得金額』が400万円になれば、税込年収が500万円で『課税所得金額』が400万円の人と納めるべき税金の額が同じになる。

・他の税金額を算出する為の制度ではない。
 (課税所得金額を基準に決まる住民税があるから間接的には関わっている)

収入や就労の証明にもなる源泉徴収票

ちなみに源泉徴収票というものが、毎年1月末までに渡されると思いますが、この書類は、所得税を前もっていくら払っているかを証明する書類になります。
そうなの!?あれだけいっぱい印字されてるのに?
はい。中身をあらためて見てみると分かりますが、
1、まず税込年収が書かれてあり、
2、給与所得控除があり、
3、所得控除があり、
4、最後に所得税が源泉徴収された金額が印字されています。

その下側にいっぱい書かれてあるのは所得控除されている内訳が印字されていたんですね。

ところでちょっとした疑問なんだけど、この書類って所得証明書の代わりにローン審査で使われたり、保育所継続審査の時なんかも必要よね?
所得税を払った金額が分かる書類でなんでそういう証明になるのかしら?
それは源泉徴収という制度ならではの理由があるんです。
源泉徴収は、会社が従業員の方の収入に応じて『必ず』所得税を徴収するわけですから、

所得税を徴収されているという事は収入と就労が証明できるわけです。

保育所に関しては、源泉徴収票を元に世帯所得で保育料が決まる事と、就労の裏付けとして使われています。

だから源泉徴収票でいいのです。



他にもある節税方法。ふるさと納税

最後になりますが、今度は経費面ではなく『所得控除』面での節税を考えてみましょう。

最近一番話題に上がるのは『ふるさと納税』ですね。ふるさと納税は、所得控除の種類の中でも『寄附金控除』を利用した制度です。

ですので、『ふるさと』といっても、縁もゆかりもないところに『ふるさと納税』をしても所得控除を受ける事ができます。

『ふるさと納税』で検索すれば情報がたくさん出てきますから、こちらではふるさと納税で節税できる理由をお伝えしておきます。

今までの情報を読んでもらっていれば、他サイトで案内されているふるさと納税の仕組みもきっとご理解いただける事でしょう。

ただ、気をつけていただきたい事があります。

『煽り(あおり)にのせられない事』です。

賢く、正しく節税、納税を行なっていきましょう。

ふるさと納税(寄附金控除)で節税できる理由。所得税は課税所得金額に応じて税金を支払う制度だから。

ごめんなさい。何が言いたいのか全く分からないわ。
そうですよね。まずはこの図を見てください。

出典:国税庁

『課税所得金額』というのが、所得税額を決定する基準となる金額なのはお話しした通りです。

突然ですが質問です。『課税所得金額』が650万円の方が納める所得税額は、いくらだと思いますか?

えっと…。まず『課税所得金額』が650万円なんでしょ?
その時の税率が20%だから、

650万円×20%(0.2)=130万円

じゃないの?っていうかそんなに税金納めてるわけ!?

はい。もちろんそんな事はありません。
正解は87万2500円です。
では、どういった計算になるのでしょうか?

この計算の仕組みが分かると、課税所得金額によっては税率が急激に上がって損をするという誤解も解消されますよ。
一緒に見て行きましょう。

所得税額の計算は、はじめはとっつきにくい。

下の図は上記の図にある情報を付け足したものですが、こうなると少しはわかりやすいと思います。
こちらを見ていただくと、2つの事がおわかりいただけると思います。
一つめは、ご自身の『課税所得金額』が段階的に上がっていく税率の境目付近にあったとしても急激に納税額が上がるわけではないという事。
二つめは、所得控除を利用して少しでも『課税所得金額』を抑える事ができれば、その金額に比例し所得税額も抑えられるという事です。
なるほどね。
単純にその金額の場所の税額をかけたんじゃないって事は理解できたよ。
でももう少し分かりやすくならないのかな?
確かに何回も計算をするのは大変ですよね。
実はもっと簡単に計算できる方法があります。
所得税速算表といいまして、先ほどの計算を単純化したものです。

所得税の税率 (速算表) ↓国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm


出典:国税庁

この表を元に先ほどの『課税所得金額』が650万円の場合の所得税額を計算してみましょう。
まずは650万円×20%(0.2)=130万円
ここまでは最初の計算と変わらないよね。
そこから控除額の42万7,500円を引くと…

1,300,000-427,500=872,500円。

ほんとだ。合ってる!

そうなんです。簡単ですよね。
では、この速算表を元に税率の変わり目である『課税所得金額』が330万円の場合と、331万円の場合を見てみましょう。

まず、330万円の場合の所得税額は、
330万円×10%ー97,500円=
23万2,500円です。

331万円なら
331万円×20%ー427,500円=
23万4,500円です。

その差わずか2千円です。

つまり税率の変わり目であるかどうかは考えなくて良く、所得控除を正しく利用し節税すれば何も心配いらないわけです。

よく分かったよ。
でも、何で税率の境目の金額だったら損するって思ってしまってたのかな?
実際に損をするケースがあるからですね。
これは所得控除の中の配偶者控除の事で、よくいう103万円の壁です。
この場合は世帯全体としてみたときに影響を受けます。
こちらはまた別の機会にお伝えできればと思います。

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